奄美学術会議(略称:奄美学会)の設立趣旨
奄美は研究の宝庫である。南西諸島に位置し、四方海に囲まれた外海離島であり、黒
潮とモンスーンが行き交う島々の豊かな自然や文化は、世界に類を見ない生物文化多
様性を保全している。また歴史や民俗の特異性もこの地政学から来ている。このユニ
ークな地域を理解するには、従来の学問分野の領域を超え、学際融合的・分野横断型
の研究が必要である。
奄美諸島は外から大勢の研究者が来訪している。外から来た研究者は、奄美研究から
刺激を受け自らの研究を前進させているだけではなく、奄美の新しい価値を発見して
くれるありがたい存在である。知が社会発展の源泉であることに鑑み、奄美の地域振
興に資するべく、研究の宝庫を活かし、自前の研究者をもっと育てたい。
本学会は、「奄美」をキーワードに全方位から奄美にアプローチし奄美を探求する場と
したい。IT ネットワークの技術進歩を活用し、奄美諸島在住の研究者のみならず、東
京・大阪・福岡・鹿児島、沖縄、ハワイ、ブラジル等、世界中の奄美人を結集し、奄
美を越えた研究者の交流を図りたい。同時に、奄美に関心のある全国の研究者を呼び
寄せたい。
奄美学術会議は、自由な言論の場を提供するプラットフォーム(広場)である。発表
の場、言論の場に登壇することで、研究者は己を磨いていく。また、自由な言論が活
発化することにより、研究者間の競争も増える。この競争によるレベル向上も期待で
きる。学問研究には「伸びしろ」が常にあることを忘れてはならない。Ever!
本学会が成立すれば、奄美諸島在住の研究者も、本土在住者と同じように、資料、研
究、発表、学会参加の機会を得ることになる。研究資源へのアクセス上の条件不利も
是正されよう。
奄美には大学がない。奄美学術会議(学会)の創立は、地域に大学がないことの補完
を超えて、奄美の学術研究向上の起爆剤になることを期待したい。(叶芳和)
ホームページ
https://amamigakkai.com